奈良県吉野郡川上村は吉野川(紀ノ川)の源流に位置する山間の村。総面積の95%が山林で、ここに降り注いだ雨は豊かな森に蓄えられ、それが湧き水としてゆっくりと流れでて、やがて一筋の流れとなりそして大河となって、奈良盆地や遠く和歌山平野にいたる大地を潤しています。
川上村の先人が室町時代に農業の傍ら山畑に植林を始めたという記述が書物に残っており、これが“日本最古の造林地”である証とされています。戦国時代には吉野材は建築用材として重宝され、大阪城や伏見城の築城にも用いられたといいます。江戸時代中期以降は樽の材料として用いられるようになりました。
川上村の恵まれた大自然の中で大きく育ち伐り出された吉野杉・吉野桧は、その後製材され、木を加工する村内の工場へと運ばれます。そこで職人たちの巧みな技によって上質な雑貨となります。吉野材ならではの美しい木目や色艶、香りを活かした木製雑貨は、暮らしに豊かさを与えます。